余剰在庫を効率的に処分するためには?

「決算までに処分して在庫を減らせ!」
という指示に対して、
現場では何をすべきでしょうか。

営業部門や商品管理部門にとって、処分売りは慎重に行う必要があると考えられます。
当然ながら、値引きをしないと余剰在庫は売れませんが、通常取引先に対して、安易に
値引き販売をすると、通常商品の値崩れや、値引きの要求が継続してしまいかねません。
商品の特性を見ながら、以下のプロセスを検討していく必要があります。

処分ルートの探索

通常取引先 以外で、処分販売に実績のある販路を探すことになります。国内/海外、商圏など、指定できるのが理想ですが、販路が狭まれば、その分 売却条件を見直さなければなりません。

処分品の選択と優先付け

処分したい商品(リスト)を明確にして交渉しなければなりません。そのリストの中でも、優先付けを行い、どのように提案していくか、作戦を練ります。

処分・換金の実行

送料は誰が負担するか、トラック等の手配は誰が行うか、納品場所は複数か、など、細かな点もチェックし、売却先との認識ずれがないようにします。

普段の業務とは違う商流、違う条件交渉で、不毛な時間を費やしてしまわないために

余剰在庫の処分は、「時間」と「金額」に集約されます。

換金までの時間が短ければ、回収できる金額は少なく、逆に、換金までの時間がそれなりにとれるのであれば、回収できる金額が多くなることが期待できます。

日頃から、処分に関するルール(時期、販路、価格 等)を決め、それを運用していれば、計画的に処分を実行できますが、急遽・お急ぎの場合は、換金までの時間と換金金額の関係性を見ながら判断し、買い取り業者に依頼することが必要です。
ただ、買い取り業者も、買い取った後に売却することで、人件費、倉庫費用、返品などのロス等を考慮して、それを上回る利益をあげなければなりません。また、買い取り業者が速やかに売却をするためには、市場価格を下回るような販売価格でなければなりません。
そうしますと、余剰在庫の売却価格は、かなり低い価格(おそらく原価の数分の1から数十分の1というレベル)を覚悟しなければなりませんし、いわゆる”二束三文”の回収額を経営者に提示しても納得感が得られず、板ばさみで時間を費やしてしまいかねません・・・。

また、「いくらだったら買い取れるか」という”買取りの見積り”を入手するのも、営業部門が普段やらない交渉であり、また秘密厳守が求められる特殊な業務となるため、社内で処分実施するのが理想ですが、やはり普段の業務を優先させるためであったり、客観性を持たせるためにも、急ぎの処分・換金を含めて、相談できるアウトソース先を検討すべきです。